潰瘍性大腸炎
2022.04.03消化管に炎症が起こる病気の総称を「炎症性腸疾患」といいます。潰瘍性大腸炎もこの一つで、大腸粘膜の炎症によって、潰瘍やびらんなどが生じる病気です。
炎症性腸疾患のうち、細菌や薬によるものなど炎症の原因が分かる場合には、原因を取り除く治療を行います。
炎症性腸疾患のなかでも潰瘍性大腸炎は原因不明の慢性の病気です。
下痢や血便、腹痛などの症状があり、炎症が広範囲に及ぶとがん化する恐れがあると言われています。
薬物治療が中心となりますが、治療法は未だ確立されておらず治療が難しい難病として認定されています。
症状
- 下痢
- 血便
- 腹痛
- 発熱
- 貧血
- 体重減少
検査方法
問診により、症状の詳しい内容や症状が出始めた時期などを伺ったうえで、大腸カメラ検査を行います。
大腸カメラ検査では、潰瘍性大腸炎特有のびらんや腫瘍を確認でき、疑わしい部位が見つかった場合は、生検(ごく小さい組織片を摘まみ出し、顕微鏡などで詳しく調べること)のための組織採取をすることができます。
第一に苦手意識がある方が楽に検査を受けられるよう、当院では鎮静剤を使った検査を積極的に行っています。
ウトウトと眠っているような状態で検査を受けられるため、ほとんどの場合はまったく苦痛や不快感を覚えることがありません。
治療方法
薬物療法を中心に炎症を鎮める治療を行います。
難病というと命に関わる、日常生活が送れないというイメージがありますが、潰瘍性大腸炎はただちに命に関わる病気ではありません。
難病に指定されている病気の中には、原因不明であるということの他に、国が支援して原因や病態を解明し、治療体系を確立しようという狙いがあるためです。
潰瘍性大腸炎は適切な治療で症状をうまく抑えることで、普段と変わらない生活を送ることが可能です。