食道粘膜下腫瘍
2024.04.26食道粘膜下腫瘍は、名前の通り食道粘膜の下に生じる腫瘍です。これらの腫瘍は通常、食道の内側の粘膜と筋層の間に位置しています。
食道粘膜下腫瘍は、良性と悪性である場合がありますが、約70%は平滑筋腫という良性の腫瘍であることがほとんどです。
稀に消化管間葉系腫瘍(GIST)や悪性リンパ腫などの悪性の腫瘍の場合は、がん化する可能性があり治療が必要となります。
症状
腫瘍が小さい場合には、自覚症状はほぼありませんが、腫瘍が大きくなったり悪性の場合、以下の症状が出ることもあります。
- 嚥下障害
- 喉の痛みや違和感
- 食欲不振
- 胸部痛
- 吐血
- 貧血
原因
食道粘膜下腫瘍の発生原因には、遺伝的要因、食道の慢性的な刺激、炎症性疾患、代謝性疾患などの要因が組み合わさり発生するとされていますが、正確には解明されていません。
検査方法
主に胃カメラや胃レントゲン検査(バリウム検査)によって発見されることが一般的です。このような腫瘍は粘膜の下に形成されるため、腫瘍の種類を特定するためには、CTやMRIなどの画像検査が行われ、その後に超音波内視鏡(EUS)と呼ばれる検査を行い、穿刺吸引術(EUS-FNA)によって組織の種類を確認します。
治療方法
粘膜下腫瘍の治療方法は、通常、内視鏡的または腹腔鏡手術による切除です。ただし、腫瘍が小さく(1~2㎝まで)変化がない場合は、年に1~2回の定期的な胃カメラ検査で経過観察します。一方、腫瘍が5㎝以上であり、大きさが増加している、症状を引き起こす、潰瘍を形成するなどの所見がある場合には、手術が必要とされることがあります。