肝血管腫
2024.03.20肝血管腫(かんけつかんしゅ)は、肝臓内にできる血管腫瘍の一種です。肝臓は体内で最大の臓器の一つであり、血液の供給や貯蔵、代謝など多くの重要な機能を果たしています。
通常、肝臓の血管は血液を肝臓全体に供給し、肝細胞が酵素や栄養素を代謝する役割を担っていますが、稀に肝臓内の細い血管が異常に増殖し、無数に絡み合って腫瘍を形成することがあります。
肝血管腫は一般的には良性腫瘍で、悪性化することはほとんどありません。
症状
症状が現れないことが殆どですが、血管腫が約4㎝以上になると、以下の症状が現れることがあります。
- 腹痛
- 腹部不快感
- 腹部膨満感
- 吐き気
- 食欲不振
原因
肝血管腫の原因はまだ完全に解明されていませんが、妊娠中やホルモン補充療法を受けている場合に肝血管腫が発生することが稀に見られます。
これは、ホルモンのバランスが変化することが、肝臓内の血管組織の異常増殖を促進する可能性があるためです。
また、遺伝的な要因も関与する可能性がありますが、明確には分かっていません。
治療方法
症状がない場合は治療は不要であり、定期的なエコー検査などの経過観察が行われます。一方、腹痛などの症状がある場合や、腫瘍が増大している場合、またがんとの鑑別が難しい場合は外科手術が必要になります。どちらのケースでも、肝血管腫の診断を確定させるための検査が必要です。