胃悪性リンパ腫
2024.04.26胃悪性リンパ腫は、胃のリンパ組織から発生する悪性腫瘍の一種です。
胃に発生する腫瘍の中で、胃がんに次いで多いのがリンパ組織のがんである悪性リンパ腫です。
悪性リンパ腫は全身に起こりうる病気ですが、消化管においては特に胃が好発部位とされており、複数の病型に分類されます。
胃に発生する悪性リンパ腫の中で最も一般的なのは「胃MALTリンパ腫」であり、次に多いのが「びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫」です。これらの2つのタイプが大部分を占めています。
症状
胃内のリンパ腫が大きくなると、
- 胃痛
- 嘔吐
- 嘔気
- 吐血
- 黒色便
などの症状が現れる場合があります。
原因
感染症や炎症が存在する場合、リンパ球の異常増殖が引き起こされ、それがリンパ腫につながると考えられています。
胃MALTリンパ腫の場合、多くはヘリコバクターピロリ菌感染が原因とされています。
→ピロリ菌感染
B細胞性リンパ腫は免疫の異常によって引き起こされると考えられていますが、具体的な原因はまだ明確には分かっていません。
検査方法
別の目的で受けた胃カメラ検査で偶然に発見されることがほとんどです。
胃MALTリンパ腫やB細胞性リンパ腫の診断には、内視鏡検査だけでは確定診断が難しく、病理組織検査、画像検査(CT)も行います。
治療方法
~胃MALTリンパ腫の場合~
病変が腫瘍や病変が一部の部位に局在しており、周辺組織や他の臓器に広がっていない状態で、ピロリ菌感染がある場合は除菌治療が行われます。
ピロリ菌感染がない場合は放射線治療が選択されます。一方、全身に転移がある場合は、化学療法が主な治療法となります。
~B細胞性リンパ腫の場合~
治療法は症状や病変の大きさ、病理結果などによって異なります。一般的には化学療法に加えて放射線療法が行われることがあります。また、分子標的薬(特定の分子や生物学的プロセスを標的として治療を行う薬剤。がん細胞の成長や増殖を阻害するか、あるいはがん細胞を破壊することが目的)なども使用される場合があります。