痔
2022.04.03痔には種類があり、いぼ痔・切れ痔・痔ろうなどがあります。痔になる原因には、便秘や下痢、排便時のいきみ、出産によるものなどがあります。便秘で便が硬くなると排便の際に肛門に圧力がかかり、切れ痔になったり、肛門の血管が集まる部分がうっ血し、いぼ痔になったりします。普段からおしりに負担をかけない排泄を心がけたり、入浴でおしりをあたためることで予防になります。
痔の種類
いぼ痔
痔の中で最も多くみられる疾患で、肛門への負担が原因で肛門に腫れができた状態です。
いぼ痔の中でも肛門の内側にできるものを「内痔核」、肛門の外側にできるものを「外痔核」といいます。
〈内痔核〉
内痔核は、直腸と肛門上皮の間にある歯状線と呼ばれる部位よりも内側にできます。
原因は排便時のいきみすぎによるうっ血です。
内痔核は知覚神経のない部分にできるため、痛みが起こりにくく、排便時の出血や痔核の脱出で気づくことがほとんどです。
痔核が脱出すると最初は自然に戻りますが、だんだんと押し込まなければ戻らなくなってしまいます。
内痔核の症状
- 排便時の出血
- 痔核の脱出(肛門からいぼのようなものが出る)
- 貧血(慢性的な場合)
〈外痔核〉
外痔核は歯状線の外側にでき、内痔核と同じく排便時のいきみすぎによりうっ血している状態です。
外痔核ができる部分には知覚神経があるため、時には強い痛みが現れます。
外痔核の症状
- 肛門に痛みがある
- 肛門の腫れ
- 排便時の出血
切れ痔
硬い便の排出時や下痢によって肛門の皮膚が切れたり、裂けている状態です。
排便時に痛みがあるため便通を抑えるようになり、便秘につながります。傷が深くなると肛門潰瘍となってしまい、肛門が狭くなります。そして排便時にさらに便が通りにくくなる悪循環が生まれてしまいます。
症状
- 排便時の強い痛み
- 排便時の出血
- 排便後も痛む
痔ろう
肛門内部の直腸と肛門の周辺に皮膚が繋がってしまい、細い穴が空いた状態です。
肛門から細菌が入ることで肛門腺が化膿し、炎症が肛門の周辺に広がり膿が溜まってしまいます。過度なストレスやアルコールの摂取による下痢が原因だと考えられています。
症状
- お尻の腫れ
- 肛門の痛み(排便時に関わらず)
- おしりにしこりのようなものができる
- 肛門から膿が出る
- 発熱する場合がある
痔の治療
排便時に出血がある場合には痔の症状がなくとも受診しましょう。便に血が混じるのは大腸がんの可能性もあるからです。
痔の治療には薬物治療や排便・生活習慣の改善があります。手術により痔を切除する場合もあります。
痔にならないために普段からできること
- 排便後は肛門を清潔に保つ
- 便秘・下痢をしないよな食生活や生活習慣の改善
- アルコールの摂取を控える
- 辛い刺激物を食べ過ぎない
- 排便時にいきみすぎない
- 腸内環境を整える
- 水分を沢山とる
- 睡眠不足、ストレスをため込まない