便秘症
2022.04.03便秘とは大腸内に内容物が長時間停滞している状態で、内容物から水分が吸収されているため、便が硬くなり通過が遅くなります。
排便の回数や量が少なくなり、1週間も便通が無いということもあります。
便通は本来毎日あるのが健康な状態だと言われています。
便が3日以上でない、ころころとした硬い便しか出ない、残便感がある場合は便秘であると言えます。
また、消化器系の病気の影響で腸の中がせまくなり、便が通りにくくなるために便秘になることもあります。
便秘の種類
機能性便秘
最も多いタイプの便秘で、生活週間の乱れやストレス、加齢により大腸のぜんどう運動が十分行われず腸内に便が長くと留まってしまいます。
機能性便秘はさらに3つに分かれます。
〈弛緩性便秘〉
腸管がゆるみ、ぜんどう運動が十分行われません。大腸内に便が長く滞在し、水分が吸収されてしまい、便が硬くなってしまいます。女性や高齢者に多く見られます。
便が滞ることでお腹が張ったり、食欲低下、肌荒れ、肩こりなどの症状が現れます。
〈痙攣性便秘〉
弛緩性便秘とは逆に腸管が緊張しすぎてしまい、便がうまく運ばれず、ころころとしたウサギのような便になるのが特徴です。
便秘や下痢を交互に繰り返したり、下腹部痛や残便感が現れることもあります。
精神的なストレスや環境の変化も誘因になります。
〈直腸性便秘〉
便が大腸から直腸に運ばれると通常、便意を催しますが、直腸に便があっても便意がおこらずうまく排便できなくなります。
高齢者や寝たきりの方、痔やトイレに行きずらい環境にあり排便を我慢する習慣がある人に多くみられます。
品質性便秘
大腸の病気や腹部の手術後の腸管癒着により、物理的に便の通過障害が起きている状態です。
機能性便秘の方は生活習慣の見直しにより症状が緩和されますが、品質性便秘の場合には原因となる病気の治療が必要なため、医療機関を受診してください。
検査方法
まずは問診で排便状態、症状、生活習慣、既往症の有無、服用している薬などについてうかがい、腹部の触診を行います。必要があると判断された場合には、超音波検査、大腸カメラ検査などを行います。
糖尿病や甲状腺機能低下症による便秘が疑われる場合には、血液検査を行います。
治療方法
生活習慣の改善
- 便意の有無にかかわらず、毎朝同じ時間にトイレに座り、朝の排便習慣をつける
- 適度な運動
- ストレスをため込まず発散する
- 十分な水分摂取
- 食物繊維の摂取
- 規則正しい食事
- 便意を我慢しない
薬物療法
- 便を柔らかくし排便を促す非刺激性下剤の使用
- 腸のぜんどう運動を促す刺激性下剤の使用
医師の指示を守って正しく服用してください。