胃がん
2022.05.24今から約40年前、日本人のがん患者では「胃がん」が圧倒的に多く、死亡率の割合は1位でした。
現在は胃がんでの死亡率は減少傾向にあるものの、医療が発達した日本でも未だ毎年5万人もの人が胃がんにより死亡しています。
もともと胃がんはストレスや喫煙、食生活が大きく関係していると思われてきましたが、実は「ピロリ菌」という強い胃酸の環境下にも生息できる菌が原因であることが分かりました。
「ピロリ菌」は1983年にオーストラリアの博士により発見され、現在に至るまで様々な研究がなされました。これらの研究によって、ピロリ菌は胃炎や胃十二指腸潰瘍、そして胃がんとの関係性が深いことが明らかにされました。
症状
胃がんは初期症状がなく、進行している場合でも症状がほとんどないこともあります。しかし、早期に発見できればほぼ完治が見込める病でもあります。
- 吐き気・嘔吐
- 胸のむかむか
- 吐血・下血
- 腹痛
- 食欲低下
- 倦怠感
原因
長期にわたる胃炎などの胃の中の環境悪化、刺激により発症します。胃の中の環境悪化には、塩分の多い食生活や過度な飲酒、喫煙、ストレス、過労があげられます。
またピロリ菌の保菌によりそのリスクは高まります。
胃がん検診
胃がん検診では、胃のほかに食道や十二指腸を含む上部消化管の検査をおこないます。
これによって主に胃がん・胃潰瘍・胃炎・胃ポリープ・十二指腸潰瘍のリスクや病変を調べることができます。
検査方法としては、医師による問診に加え、胃エックス線検査、または胃カメラを実施します。
エックス線検査
食事を抜いた状態でバリウムと発泡剤をのみ、胃の状態をエックス線写真で観察します。所謂バリウム検査の事です。
胃全体の形が分かりますが、食道や食道胃接合部などの観察しにくい場所では、病変がわかりにくいなどの難点もあります。
胃カメラ
内視鏡(小型カメラが装着された直径5㎜〜10㎜の細い管)を鼻や口から挿入し、食道・胃・十二指腸を観察します。
胃粘膜を鮮明に見ることができるため、出血やわずかな病変も確認することができ、精度の高い検査といえます。