胆石
2023.06.28肝臓で脂肪やたんぱく質の消化を促す胆汁という消化液が作られ、肝臓から胆のうに蓄えられます。この胆汁が胆管で固まってしまったものが胆石です。
食生活が欧米化したことで脂肪の摂取量が増え、胆石ができやすくなり、胆石症になる日本人の患者様が増えています。
症状
- 急な腹痛(主に右上腹部)
- 発熱
- 吐き気
- 嘔吐
- 消化不良
- 黄疸
原因
肥満や高脂肪食の摂取、高コレステロール食の摂取で胆汁中のコレステロール濃度が高くなると、コレステロール結晶が形成されやすくなります。
これが胆石の主要な成分です。
また、胆石は遺伝的要因によっても影響を受けることがあり、家族歴に胆石がある場合は個人の胆石リスクが高まる可能性があります。
女性は男性に比べて胆石の発生リスクが高い傾向にあること、さらに40歳以上の年齢層でもリスクが増加することが報告されています。
治療方法
症状や石の大きさ、石の位置などによって治療方法は異なります。
症状のない小さな胆石の場合、特に問題がなければ経過観察しますが、
症状が出たり合併症のリスクが高まった場合には、以下の治療方法が検討されます。
薬物療法
胆石が小さく、症状が軽度な場合、コレステロールを溶かす目的で胆汁酸を含む薬物を使用します。
これにより、一部の胆石が縮小または溶解する可能性があります。ただし、この治療法は時間がかかる場合があり、すべての胆石に対して有効ではありません。
胆のう摘出術
症状が頻繁に起きたり合併症がある場合は胆のうの摘出手術が選択されます。
胆のうは胆石の主な発生源であり、胆のうの摘出により再発を防ぐことができます。
胆のう摘出術は、腹腔鏡手術または開腹手術で行われます。
胆管内治療
胆石が胆管に詰まっている場合、内視鏡的な処置が必要な場合があります。
胆石を取り除くために内視鏡的に胆管にアクセスし、石を取り出します。
胆管内治療には、内視鏡的逆行性胆管造影術(ERCP)や経皮的経肝的胆管ドレナージ(PTC)などの手技を使用します。