腸チフス
2024.06.24腸チフスとは、サルモネラ・チフィという細菌によって引き起こされる感染症です。この病気は主に汚染された食べ物や水を通じて感染します。
腸チフスは、特に衛生状態が悪い地域で広がりやすく、発展途上国での流行が見られますが、日本でも昭和初期から終戦後にかけて頻繁に見られた感染症でした。
衛生環境の改善に伴い、発生率は大幅に低下しました。
現在の日本では、腸チフスの発生は非常に少なくなっています。近年では毎年20〜30人程度の感染者が確認されていますが、その7〜8割は海外への渡航歴がある人々です。これらの感染者は、主に旅行先の国や地域で感染したと考えられます。
日本国内での腸チフスの発生はまれですが、発展途上国や、腸チフスが流行している地域への旅行を計画している場合は、予防策が必要です。
症状
- 発疹(胸や腹部に小さなピンク色の斑点が現れることがあります)
- 腹痛
- 下痢や便秘
- 肝臓や脾臓の腫れ
原因
感染者の排泄物で汚染された井戸水や川の水を飲むことで感染します。
また、汚染された水で洗われた生野菜や果物、または感染者が取り扱った食品を食べることでも感染することがあります。適切に加熱されていない食品もリスクがあります。
感染者からの接触感染もあります。
検査方法
血液、便、尿、その他の体液や組織のサンプルを採取して検査を行います。
治療方法
腸チフスの治療には主に抗生物質が使用されます。
治療期間は通常10日から2週間で、症状の改善後も継続して服用します。脱水症状がある場合は経口補水液や静脈内補液が必要です。治療後には血液検査で効果を確認します。