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十二指腸潰瘍

2023.07.22

小腸の最初の部分である十二指腸にできる潰瘍(ただれ)のことを指します。
潰瘍とは、粘膜が傷ついて皮膚や粘膜の表面が腫れたり欠損している状態です。
十二指腸潰瘍は、主に胃液中の消化液に含まれる胃酸やペプシンといった消化酵素が、十二指腸の粘膜に対して過剰に作用することで引き起こされます。これは、胃酸や消化液が十二指腸に戻ってきたり、十二指腸で正常なバランスが崩れたりした場合に起こります。

 

症状

  • 上腹部の痛み
  • 食後の腹痛
  • 胃もたれ
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 食欲不振
  • 黒色便

 

原因

十二指腸潰瘍の主な原因の一つにピロリ菌感染によるものがあります。
ピロリ菌は胃や十二指腸に存在するバクテリアで、感染によって胃および十二指腸の粘膜に慢性的な炎症を引き起こすことがあります。この炎症が潰瘍の形成に関与することがあります。
また、痛みや炎症を軽減するために使用される、 アスピリンやイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の長期の使用により消化管の粘膜に対して刺激を与え、潰瘍の原因となることがあります。

他にも長期間にわたるストレスや緊張が胃酸の分泌を増加させ、十二指腸の粘膜に影響を与えること、遺伝的要因も十二指腸潰瘍になるリスクを高めます。

 

ピロリ菌検査

当院では、胃にピロリ菌がいるかどうかの検査を行っています。
胃カメラ検査(胃内視鏡検査)のほか、尿素呼気試験という検査で検査用の薬(錠剤)を飲み、呼気を調べてピロリ菌に感染しているかどうかを判定します。
もしも感染しているようなら、胃がん、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の予防のために、この菌の早期除菌をお勧めします。
治療方法
治療には、胃酸の分泌を抑制し胃酸による潰瘍の進行を防ぐ薬を用いる方法や、原因となる非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用を控える、代替の薬を使用することが検討されます。

また栄養療法やストレス管理も十二指腸潰瘍の治療法の一つです。