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虚血性腸炎

2023.08.29

虚血性腸炎は腸管の血管が閉塞(詰まり)したり、血流が制限されたりすることで、腸管内の血液供給が不足し、引き起こされる炎症性の状態です。
虚血性腸炎は、腸管の組織に酸素や栄養が供給されなくなるため、組織の障害や壊死が発生することによって炎症が生じます。
重篤な場合は腸組織の壊死が進行し、重大な合併症を引き起こす可能性があります。

 

〈虚血性腸炎は大きく2つのタイプに分類されます〉

腸管閉塞による虚血性腸炎

血管内の塞栓物質や血栓(血液が凝固してできる塊)が腸管の血流を阻害することで、腸管の組織が損傷し炎症が起こる状態です。

非閉塞性虚血性腸炎

血管自体の収縮や低血圧、心臓疾患などが原因で血流が制限されるために発生します。これにより腸管内の組織が損傷し、炎症が起こります。

 

症状

  • 腹痛
  • 下痢
  • 嘔吐
  • 腹部膨満感
  • 血便、下血
  • 悪心

 

原因

虚血性腸炎の主な原因は、腸管の血管が閉塞したり、収縮したりすることによって腸管内の血液供給が不足することです。
血管内の塞栓物質や血栓、低血圧、心臓疾患、動脈硬化なども関与し、血流の制限によって腸管内の組織が酸素や栄養を失い、炎症や組織障害が生じます。

 

治療方法

虚血性腸炎の治療は、腸管の血流不足からくる組織障害を防ぎ、患者の症状を緩和することを重視し、以下の治療方法を組み合わせて行います。

 

血流回復の促進

血流障害を改善することが最優先です。薬物療法や内視鏡的な処置により、閉塞や狭窄した血管を拡張する試みが行われます。

炎症の抑制

炎症反応をコントロールすることで、組織の損傷を最小限に抑えます。ステロイドや抗炎症薬の投与が考慮されることがあります。

絶食と栄養療法

腸管に負担をかけないため、一時的に絶食を行いつつ、静脈内栄養を通じて栄養補給を行うことで、回復を支援します。

対症療法

痛みや吐き気、腹膨満などの症状を和らげるための薬物が使用されることがあります。

外科的処置

重度の場合や腸管壁の壊死が進行する恐れがある場合、部分的な腸管切除手術が必要となることがあります。