アルコール性肝炎
2023.11.28アルコール性肝炎は、慢性的な大量のアルコール摂取が原因で肝臓に炎症が生じる疾患の一つです。
アルコール性肝炎は肝硬変や肝がんのリスクを増加させる可能性があり、重篤な場合には致命的な合併症を引き起こすことがあります。
症状
初期症状には
- 食欲不振
- 体重減少
- 腹部の不快感
- 吐き気
- 嘔吐
進行すると
- 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる症状)
- 腹水(腹部に水分が溜まる症状)
- 腹部の静脈瘤
- 意識障害
などが現れることがあります
原因
疾患名の通り、アルコール性肝炎の原因は大量のアルコールの摂取です。
個々の感受性は異なりますが、通常は日本酒換算で男性で日に40g以上、女性で20g以上のアルコール摂取が長期間続いた場合に発症しやすいとされています。
純アルコール20gに相当する酒量
- ビール(5%)………ロング缶(500㎖)1本
- 日本酒………………1合(180㎖)
- ウィスキー………ダブル1杯(60㎖)
- 焼酎(25度)…………グラス1/2杯(100㎖)
- ワイン……………グラス2杯弱(200㎖)
- チューハイ(7%)…缶1本(350㎖)
治療方法
アルコール性肝炎の治療は、まずアルコール摂取の停止が必要です。これにより肝臓へのダメージを減少させることが期待されます。
重症度によって栄養療法やビタミン補充、腹水の管理、抗炎症薬などが治療に用いられることもあります。重篤な場合は入院治療が必要となることがあります。
アルコール性肝炎の予防法
- 体重・性別・年齢・アルコールの分解能力の違いなどにより、適量には個人差がありますが、自身の適切な飲酒量を理解し、適量を守る
- 週に2日は肝臓を休ませる「休肝日」を設け、肝臓の機能を回復させる
- 空腹状態で飲酒をするとアルコールの吸収が早まり肝臓への負荷が大きくなるため、空腹での飲酒を避け、おつまみなどを上手に利用する