腸閉塞
2023.09.20腸閉塞は、腸管内の通り道が部分的または完全に閉塞(閉じられた)状態になる病態を指します。原因は様々ですが、腸内の内容物(食べ物、消化液、ガスなど)が正常に通過できなくなり、腸内の圧力が上昇して痛みやその他の症状を引き起こします。
腸閉塞は重大な疾患であるため、症状が現れた場合、速やかに医療機関の診察を受けてください。治療の遅延は合併症を引き起こし、完全な腸閉塞の場合は命にかかわる状態となるため、早期の診断と治療が必要です。
症状
- 腹痛
- 腹部膨満感
- 嘔吐
- 吐き気
- 便秘
- ガスの膨張
- 腸鳴音の減少
原因
腸閉塞の主な原因には次のようなものがあります
機械的な閉塞
腸管内に物理的な障害物が存在する場合、それが通過を妨げて機械的な閉塞を引き起こします。この障害物は腫瘍、腸重積、腸ヘルニア、腸の捻転、異物の摂取、炎症性腸疾患などが原因となります。
非機械的な閉塞
腸管の筋肉の運動が弱まることで、腸内の内容物が正しく進まなくなり、非機械的な閉塞が発生することがあります。これは、腸壁の疾患、神経障害、消化管の病気、一部の薬物の副作用などが原因です。
治療方法
機械的な閉塞の場合、手術が必要です。外科的な処置によって腸内の障害物を除去し、正常な腸の通過を回復させます。
非機械的な閉塞の場合、原因に対処する治療が行われます。炎症性腸疾患の場合、抗炎症薬が使用されることがあります。薬物誘発性の場合、関連する薬物を中止または変更することが必要です。
~腸閉塞になりやすいとされるリスク要因や条件~
- 過去に腸閉塞を経験した場合
- 腸管内に腫瘍がある、また腫瘍の放射線療法や化学療法を受けている場合
- クローン病や潰瘍性大腸炎、憩室症などの腸内の疾患がある場合
- 腸の一部が腹部壁の裂け目や弱点から脱出する腸ヘルニアのある場合
- 鎮痛薬、抗うつ薬、抗コリン薬など、腸の運動に影響を与えることがある為、それらを長 期服用している場合
- 腸の運動が遅くなる高齢者
- 先天性異常などで腸管の構造に異常がある場合